経理初心者のための基本的な勘定科目の一覧表【法人用】

基本的な勘定科目の一覧表-アイキャッチ

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こんにちは。税理士のかわべです。

経理初心者の人が取引を記録する場合に一番迷うのが「この取引はどの勘定科目で処理するの?」ということです。(ある程度経験を積んでも悩みます(^^;。)

経理初心者の方向けに基本的な勘定科目を一覧表にしました。(今回は法人用です。)

初心者のための基本的なものを掲載しています。(類似している科目も含めれば、世の中には数万の勘定科目名称が存在すると言われていますので、掲載されている勘定科目は極一部です。)

参考にしてみてください。

この記事が想定している読者

● 小規模の法人の経理(会計ソフトの入力)を担当している人

● 経理担当者が不在の小規模法人の経営者


基本的な勘定科目の一覧表

以下の勘定科目の一覧表は、主に小規模の法人の多くが使用していると基本的な勘定科目をまとめました。

 

区分 勘定科目名称 処理内容
資産 現  金げんきん 手元にある現金
小口現金こぐちげんきん 手元にある現金(「現金」より小さい単位で管理したい場合)
普通預金ふつうよきん 普通預金
当座預金とうざよきん 当座預金
定期預金ていきよきん 定期預金
受取手形うけとりてがた 受け取った手形
売掛金うりかけきん 請求書を発行し、未収入である金額
貸倒引当金かしだおれひきあてきん
有価証券ゆうかしょうけん
商品しょうひん 仕入れた商品で、年度末に売れ残っていたものの棚卸(たなおろし)価格
製品せいひん 製造した製品で、年度末に売れ残っていたものの棚卸価格
半製品はんせいひん 製造途中の製品の年度末の棚卸価格
原材料げんざいりょう 製造のために仕入れた材料で、年度末に未使用のものの棚卸価格
仕掛品しかかりひん 製造途中の製品の年度末の棚卸価格
貯蔵品ちょぞうひん 年度末に未使用の消耗品等の価格
仮払金かりばらいきん 仮で渡した金額
立替金たてかえきん 従業員等のために一時的に立替払いした金額
短期貸付金たんきかしつけきん 1年以内に返済を受ける予定の貸付金
建物たてもの
建物付属設備たてものふぞくせつび 電気工事、給排水工事など、建物本体とは別に処理されたもの
構築物こうちくぶつ
機械装置きかいそうち
車両運搬具しゃりょううんぱんぐ
工具器具備品こうぐきぐびひん
土地とち
長期貸付金ちょうきかしつけきん 1年を超えて返済を受ける予定の貸付金
敷金しききん
保証金ほしょうきん
負債 支払手形しはらいてがた
買掛金かいかけきん 仕入をしたのにもかかわらず、未払である金額
未払金みばらいきん 資産の購入等をしたのにもかかわらず、未払である金額
未払費用みばらいひよう サービス等の提供を受けたのにもかかわらず、未払である金額
短期借入金たんきかりいれきん 1年以内に返済する予定の借入金
預り金あずかりきん 従業員等から預かった源泉所得税、住民税等の金額
長期借入金ちょうきかりいれきん 1年を超えて返済する予定の借入金
資本 資本金しほんきん

 

区分 勘定科目名称 処理内容
売上 売上高うりあげだか 売上高の金額
売上原価 期首商品棚卸高きしゅしょうひんたなおろしだか 期首の商品の棚卸高
仕入高しいれだか
期末商品棚卸高きまつしょうひんたなおろしだか 期末の商品の棚卸高
販管費 役員報酬やくいんほうしゅう 役員の報酬金額
給与手当きゅうよてあて 役員以外の従業員の給与
賞与しょうよ
雑給ざっきゅう アルバイトの給与
法定福利費ほうていふくりひ 社会保険料の金額
福利厚生費ふくりこうせいひ 従業員に対する福利厚生の金額
通信費つうしんひ 電話代、郵便代
荷造運賃にづくりうんちん 宅急便代
水道光熱費すいどうこうねつひ 電気、ガス、水道
旅費交通費りょひこうつうひ 通勤手当、電車代、高速代、駐車料金、出張宿泊費、出張日当など
公告宣伝費こうこくせんでんひ 公告にかかる費用
接待交際費せったいこうさいひ 接待の飲食代、手土産、お歳暮など
会議費かいぎひ 会議中の飲食代など
消耗品費しょうもうひんひ 消耗品の購入費
新聞図書費しんぶんとしょひ 新聞や書籍の購読費用
地代家賃ちだいやちん 事務所の家賃、駐車場の月額利用料など
租税公課そぜいこうか 印紙税、事業税、固定資産税など
車両費しゃりょうひ ガソリン代
支払手数料しはらいてすうりょう 銀行の振込手数料など
雑費ざっぴ
営業外収益 受取利息うけとりりそく 受け取った預金利息等
受取配当金うけとりはいとうきん
雑収入ざっしゅうにゅう
営業外費用 支払利息しはらいりそく 支払った借入金の利息等
雑損失ざっそんしつ
特別利益 固定資産売却益こていしさんばいきゃくえき
特別損失 固定資産売却損こていしさんばいきゃくそん
法人税等ほうじんぜいとう 法人税、法人住民税の金額

 

勘定科目を決める場合の3つの注意点

経理初心者が勘定科目を決める場合には、次の3つの点を確認しましょう。

□ 1 その勘定科目は、取引の真実を表しているか?

□ 2 以前、同じ取引があった場合、その時の勘定科目と同じ勘定科目か?

□ 3 取引を表すのに、一般的にわかりやすい勘定科目か?

 

取引の真実を表しているか?

勘定科目を決める場合の注意点の1つ目は、「取引の真実を表す勘定科目かどうか」ということです。

これは「真実性の原則」と言われるもので、会計の基本的な原則の1つです。

その取引を正確に表す科目を使用するように心がけましょう。

 

前と同じ勘定科目を使用しているか?

勘定科目を決める場合の注意点の2つ目は、「以前にも同じ取引があった場合は、その時に使用した勘定科目と同じものを使う」ということです。

これは「継続性の原則」と言われるものです。

期中に何度も繰り返し発生する取引については、同じ勘定科目を使うように注意しましょう。

※ 変更してはいけないというものではありません。会社の管理上の問題や、勘定科目の追加などによって、変更した方がよりわかりやすいという判断をした場合は、時期をみて変更するのも良いでしょう。

 

一般的にわかりやすい勘定科目を使用しているか?

3つ目は、一般的にわかりやすい勘定科目を使っているかどうかということです。

これは、なかなか難しい問題です。

会社の規模や業種、また、時代、地域によっても使用する勘定科目が異なることがあるからです。

例えば、水道代を支払ったとします。

水道代を支払った場合、多くの会社で「水道光熱費」で処理しているかと思います。一般的にわかりやすい勘定科目と言えるかと思います。

しかし、その水道代が会社の保養所の水道代だったらどうでしょうか?

その保養所が主として従業員の福利厚生を目的として使用されているとすると、「福利厚生費」で処理した方が良いという考え方も間違いとは言えないでしょう。

このようなケースをあなたの会社なら、どのように判断しますか?

真実を表し継続的に使用している科目でも、「一般的にはわかり難いかもな」と感じる勘定科目を使っていたら、再考してみても良いかも知れません。

 


■□◆◇ 編集後記 ◇◆□■

 関東は梅雨が明けたらしく、とても暑いですね。

週末に「これは経費で落ちません!」というドラマを観ました。「交際接待費」って言っていたが、「交際費」、「接待交際費」という科目を使っている会社が多かったかな。(似たような科目には「接待費」、「慶弔費」、「営業接待費」などなど)細かいことにこだわったら実務は進まないね!