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こんにちは。税理士のかわべです。
給与所得の金額は、『給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出』することになります。(給与等の収入金額が660万円未満の場合は、所得税法別表第五を利用して算出することになります。)
ちょっと面倒に感じるかと思いますが、国税庁の公式サイトやExcelファイルを利用して給与所得を計算することもできます。
DL※ 国税庁;令和元年分 給与所得者の配偶者控除等申告書(入力用ファイル)(Excel/83KB) Excelファイル
※ Excelファイルは、上のリンクをクリックすると国税庁のサイトからダウンロードできます。(ご使用のブラウザによっては、クリック後、確認ダイアログの表示なしでダウンロードがはじまります。)
この記事では、令和元年分の給与所得の計算方法について触れます。
法令の改正、Webサイトの更新等があった場合は、この記事内容とは取り扱いが異なることもありますので、ご了承ください。
参考 国税庁;No.1410 給与所得控除 web
参考 国税庁;令和元年分 年末調整のしかた(PDF) PDF
参考 国税庁;令和元年分 年末調整のしかた web
DL 国税庁;令和元年分 給与所得者の配偶者控除等申告書(入力用ファイル)(Excel/83KB) Excelファイル
参考 e-Gov法令検索;所得税法(昭和四十年法律第三十三号)、施行日:令和元年七月一日、最終更新:平成三十一年三月二十九日公布(平成三十一年法律第六号)改正 web
給与所得の金額
給与所得の金額は、『給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出』します。ただし、給与等の収入金額が年660万円未満の場合は、『所得税法別表第五』により給与所得を算出します。
給与所得を計算するには、給与所得控除額を計算しなければなりませんので、次に給与所得控除額について触れておきます。
(『所得税法別表第五』については、のちほど触れますが、「(660万円未満の)給与等の収入金額」に対する「給与所得」を一覧表にしたものなので、給与所得控除額は掲載されていません。)
給与所得控除額
給与所得控除額は、年によって異なりますので、該当する年の表や計算式を使いましょう。
しかし、実際には、660万円未満の給与等の収入金額では『所得税法別表第五』により、660万円以上の給与等の収入金額では『速算表』により給与所得を求めますので、給与所得控除額だけを計算することはほとんどありません。
次に給与所得の求め方を説明します。
給与所得の求め方
具体例で解説していきます。
給与所得の求め方(660万円未満の場合)
この『所得税法別表第五』には、給与所得控除額が掲載されておらず、給与所得から給与所得控除を差し引いた金額を「給与所得控除後の給与等の金額」と記載しています。(つまり、給与所等控除額を求める表ではなく、給与所得を直接、求める表です。)
e-Gov法令検索の画面で見ると、とても読みにくいので、「令和元年分 年末調整のしかた(PDF) PDF」で確認してみます。
給与所得控除後の給与等の金額の表
算出例
例えば、給与等の収入金額が4,586,200円のケースで確認してみます。
「令和元年分 年末調整のしかた(PDF)の令和元年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表(84~92ページ)」で4,586,200円が当てはまる行を探します。
上の画像のとおり、4,586,200円は、『4,584,000円以上、4,588,000円未満』の行に該当するため、給与所得控除後お給与等の金額(給与所得)は3,127,200円となります。
給与所得の求め方(660万円以上の場合)
給与の収入金額が660万円以上の場合は、次の速算表にを使って給与所得を求めます。
算出例
例えば、給与等の収入金額が8,125,358円のケースで確認してみます。
【給与所得】8,125,358円×90%-1,200,000円=6,112,822.2……6,112,822円(円未満端数処理切捨て)
給与所得の金額(国税庁の公式サイトで確認する方法)
給与所得の金額は、国税庁の公式サイトで確認することができます。給与の収入金額が660万円未満のケースでも確認できるようです。
LINK 国税庁;No.1410 給与所得控除
確認方法
国税庁のNo.1410 給与所得控除にアクセスして、下の方の次の画像の部分あたりまで移動しててください。
上の画像のとおり、JavaScriptを利用して算出するものなので、ブラウザの設定によっては、求めることができないかもしれません。(上の画像の赤い下線部分)
JavaScriptを利用することができれば、年を確認し、給与の収入金額を入力して「計算する」をクリックするだけで、給与所得を求めることができます。(上の画像の緑色枠囲み部分)
具体的な数値で確認してみます。
660万円未満の数値で確認
給与等の収入金額が660万円未満のケースで確認してみます。
算出例
給与等の金額が4,586,200円のケース
上の画像のとおり、所得税法別表第五で確認した数字と同じ3,127,200円が、表示されました。(上の画像の赤い枠囲み部分)
660万円以上の数値で確認
給与等の収入金額が660万円以上のケースで確認してみます。
算出例
給与等の収入金額が8,125,358円のケース
上の画像のとおり、速算表で確認した数字と同じ6,112,822円が、表示されました。(上の画像の赤い枠囲み部分)
おまけ 660万円未満の給与所得の例外的な2つの計算方法
給与等の収入金額が660万円未満の場合は、原則として所得税法別表第五を使って給与所得を算出しますが、国税庁の作成する資料では、例外的な2つの計算方法が紹介されています。
1つは、『確定申告の手引き』や上記の国税庁のNo.1410 給与所得控除のページの計算に使われている方法です。
もう1つは、『年末調整のしかた』に掲載されている方法です。(この方法で計算する人はあまりいないだろうな~)
蛇足ですが、両方の計算方法の違いを確認しておきます。
確定申告の手引きで紹介される計算方法
『確定申告の手引き』は下記のページに掲載されています。(この記事の公開時点では「平成30年分」になりますが、給与所得控除の計算方法は同じです。)
LINK 国税庁;確定申告に関する手引き等 web
『確定申告の手引き』で紹介されている方法は次のとおりです。
給与所得の計算
具体例で確認
給与等の収入金額が4,586,200円のケースで確認してみます。(上の画像の赤い枠囲み部分の方法)
[aside type=”boader”]4,586,200円は、上の画像の『3,600,000円~6,599,999円』の行に該当するため、給与所得は次のとおりとなります。【給与所得】
[A]給与等の収入金額……4,586,200円 [A]÷4=1,146,550円⇒1,146,000円(千円未満端数切捨て) [B]給与所得……1,146,000×3.2-540,000円=3,127,200円 [/aside]『年末調整のしかた』で紹介される計算方法
『令和元年分 年末調整のしかた』は下記のページに掲載されています。
LINK 国税庁;令和元年分 年末調整のしかた web
『年末調整のしかた』の「Ⅵ 電子計算機等による年末調整」で紹介されている方法は次のとおりです。
Ⅵ 電子計算機等による年末調整
具体例で確認
給与等の収入金額が4,586,200円のケースで確認してみます。
[aside type=”boader”]【年調給与額の算出】4,586,200円は、上の画像の「(1) 年調給与額の算出」の表の『1,624,000円から6,599,999円まで』の行に該当するため、年調給与額は次のとおりとなります。
(4,586,200円-1,624,000円)÷4,000円=740……余り2,200円
4,586,200円-2,200円=4,584,000円……(A)
【給与所得控除後の給与等の金額の計算】
年調給与額(A)4,584,000円は、上の画像の「(2) 給与所得控除後の給与等の金額の計算」の表の『3,600,000円から6,599,999円まで』の行に該当するため、給与所得控除後の給与等の金額は次のとおりとなります。
A×80%-540,000円=3,127,200円
[/aside]この方法は、私が作成したページでJavascriptを使って体験することができます。
LINK Trial;給与所得控除後の給与等の金額の試算(平成30年分、年末調整用、β2.3版)(リンク切れ) web
■□◆◇ 編集後記 ◇◆□■
週末は、関東もぐっと冷え込みました。サイバーマンデーが気になりつつも仕事していました。