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こんにちは。税理士のかわべです。
給与所得(月給)に対する源泉徴収税額の算出例(原則的な求め方(※1)により算出した例)をまとめてみました。
関連記事 給与所得の源泉徴収税額表(月額表)の見方(令和3年分)
扶養親族等の数え方は、次の記事を参考にしてください。
関連記事 扶養親族等の数の数え方【令和3年分】
※1 源泉徴収税額の算出方法は、原則的な求め方以外に「月額表の甲欄を摘要する給与等に対する税額の電算機計算の特例」を利用して算出する方法があり、この方法を利用する場合には、原則的な求め方と異なる結果となります。(年末調整や確定申告により年税額は確定するため、結果が異なっても問題ないそうです。)
令和3年分の特例計算については、次のLINK先でご確認ください。
参考 国税庁;No.2502 源泉徴収義務者とは web
参考 国税庁;令和3年版 源泉徴収のしかた web
参考 国税庁;令和3年分 源泉徴収税額表 web
参考 国税庁;【電算機計算の特例】月額表の甲欄を適用する給与等に対する税額の電算機計算の特例について(令和3年分)(PDF/211KB) PDF
給与所得(月給)の源泉徴収税額の具体例(甲欄の場合)
給与所得(月給)の源泉徴収税額の原則的な算出方法を具体的な例を使って説明していきます。
最初に「甲」欄に該当するケースについて確認します。
例1「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」が88,000未満のケース
● その月の社会保険料等控除後の給与等の金額が88,000円未満
● 扶養控除等申告書の提出があり、扶養親族等の数は0人
この条件のケースでの源泉徴収税額は0円となります。(上の画像の赤色の丸囲み部分)
また、その月の社会保険料等控除後の給与等の金額が88,000円未満で甲欄に該当するケースでは、扶養親族等の数が1人以上になっても源泉徴収税額は0円となります。(上の画像のピンク色の枠囲み部分)
例2「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」が88,000以上、740,000円以下のケース
● その月の社会保険料等控除後の給与等の金額が322,000円
● 扶養控除等申告書の提出があり、扶養親族等の数は4人
この条件のケースでの源泉徴収税額は、2,750円となります。(上の画像の赤色の丸囲み部分部分)
例3「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」が74万円超のケース
● その月の社会保険料等控除後の給与等の金額が755,500円
● 扶養控除等申告書の提出があり、扶養親族等の数は2人
その月の社会保険料等控除後の給与等の金額が74万円を超えるケースでは、74万円以下のケースと異なり源泉徴収税額表に記載された一定の算式を使って源泉徴収税額を算出します。
上記の(条件)のケースでの源泉徴収税額は、次の計算のとおり63,615円となります。(計算方法は、上の画像の赤色の枠囲み部分。)
(b) 740,000円を超える金額に対する税額
(755,500–740,000)×20.42%=3,165.1円→3,165円
(c) 算出する税額 (a) + (b) = 63,615円
例4 扶養親族等の数が8人以上になるケース
かなり珍しいケースですが、給与を受け取る従業員が甲欄に該当し扶養親族等の数ば8人以上になるケースでは、つぎのように算出します。
⑴ まず、その人のその月の給与等の金額から、その給与等の金額から控除される社会保険料等の金額を控除した金額を求めます。
⑵ 次に、扶養控除等申告書により申告された扶養親族等(扶養親族等が国外居住親族である場合には、親族に該当する旨を証する書類が扶養控除等申告書に添付され、又は当該書類が扶養控除等申告書の提出の際に提示された扶養親族等に限ります。)の数が7人以下である場合には、⑴により求めた金額に応じて「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」欄の該当する行を求め、その行と扶養親族等の数に応じた甲欄の該当欄との交わるところに記載されている金額を求めます。これが求める税額です。
⑶ 扶養控除等申告書により申告された扶養親族等の数が₇人を超える場合には、⑴により求めた金額に応じて、扶養親族等の数が7人であるものとして⑵により求めた税額から、扶養親族等の数が7人を超える1人ごとに1,610円を控除した金額を求めます。これが求める税額です。
(以下、省略)
次のような条件を想定してみました。
● その月の社会保険料等控除後の給与等の金額が452,000円
● 扶養控除等申告書の提出があり、扶養親族等の数は9人
上記の(条件)のケースでの源泉徴収税額は、70円となります。計算過程は次のとおりです。
(e) 扶養親族等の数7人を超える人数 ⇒ 2人 3,220円(2×1,610円)
(f) 算出する税額 (d) - (e) = 70円
給与所得(月給)の源泉徴収税額の具体例(乙蘭の場合)
次に源泉徴収税額表の「乙」欄を参照するケース(扶養控除等申告書の提出がないケース)を確認します。
例5「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」が88,000円未満のケース
● その月の社会保険料等控除後の給与等の金額が50,000円
● 扶養控除等申告書の提出はなし
その月の社会保険料等控除後の給与等の金額が88,000円未満で乙欄に該当するケースでは、「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額×3.063%」という計算式により源泉徴収税額を算出します。(下の画像の赤色の枠囲み部分)
上記の(条件)では、次の計算のとおり源泉徴収税額が1,531円となります。
例6「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」が88,000以上、740,000円以下のケース
● その月の社会保険料等控除後の給与等の金額が600,000円
● 扶養控除等申告書の提出はなし
このケースの源泉徴収税額は、197,800円となります。(上の画像の赤色の丸囲み部分部分)
例7「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」が74万円超のケース
● その月の社会保険料等控除後の給与等の金額が1,200,000円
● 扶養控除等申告書の提出はなし
その月の社会保険料等控除後の給与等の金額が74万円を超え、乙欄に該当するケースでは、源泉徴収税額表に記載された計算式により源泉徴収税額を算出します。
上記の(条件)での源泉徴収税額は、次の計算のとおり447,664円となります。 (計算式は、上の画像の赤色の枠囲み部分)
(おまけ)従たる扶養控除等申告書の提出があった場合
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に似た申告書で「従たる給与についての扶養控除等(異動)申告書」という申告書があります。この申告書の提出があった場合の税額の算出方法については、次の記事を参考にしてみてください。
関連記事 2か所の勤務先から給与の支払いを受ける場合の従たる給与についての扶養控除等申告書
■□◆◇ 編集後記 ◇◆□■
暑い暑い連休でした。事務所以外はどこにもいかず、仕事をしていました。