同じ所得でも住んでいるところによって納付する住民税が違う?超過課税を実施している地方自治体。

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個人の住民税(道府県税、市町村税を含む。以下、同じ。)の税率については、「超過課税」を実施している地方自治体があるため、住んでいるところによって税率が異なります。(平成28年4月1日現在の状況を確認してみました。)

しかし、(個人的な感覚の問題もありますが)超過課税により納付する税額を大きいと感じる人は少ないかと思いますので、実質的には、「住んでいるところによって住民税の納税額の差は、ほとんどない」と言って良いかも知れません。(同じような課税所得なら住民税の納税額も、ほぼ同じ。ということ)

[aside type=”yellow”]H29.9.5記事を加筆、訂正しました。[/aside]

(総務省;超過課税の状況(H28.4.1現在)より)

h280401_超過課税の状況の画像

[aside type=”pink”]この記事は平成29年9月5日現在で総務省のサイトに公開されている「超過課税の状況(H28.4.1現在)(PDF)」に基づき記載しております。最新の住民税の超過課税については、お住まいの地域の地方公共団体のサイト等でご確認ください。[/aside]


個人住民税の税率(原則)

個人住民税(道府県民税と市町村民税)の税率は次のとおりです。(この記事では、所得割と均等割についてのみ記載しています。)

道府県民税税率(所得割と均等割)

(総務省;地方税の税率一覧(PDF)(H29.9.5再リンク)より)

個人住民税の超過課税_11

市町村民税の税率(所得割と均等割)

(総務省;地方税の税率一覧(PDF)(H29.9.5再リンク)より)

個人住民税の超過課税_12

所得割と均等割について

所得割は「率」によって規定され、所得(課税標準)の金額によっては、税額が0となる場合があります。

均等割は「額」によって規定されますが、生活の状況等によって、非課税となるケースがあります。

関連記事 ⇒ 個人住民税の所得割と均等割のどちらも非課税となる場合

 

条文

条文を引用しておきます。

地方税法

地方税法では個人住民税の税率を次のように記載されています。

(法令データ提供システム;地方税法より。背景色は筆者追記)

(道府県民税)
(所得割の税率)
第三十五条  所得割の額は、課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額に、百分の四の標準税率によつて定める率を乗じて得た金額とする。この場合において、当該定める率は、一の率でなければならない。
(第2項省略)

(個人の均等割の税率)
第三十八条  個人の均等割の標準税率は、千円とする。

(市町村税)
(個人の均等割の税率)
第三百十条  個人の均等割の標準税率は、三千円とする。

(所得割の税率)
第三百十四条の三  所得割の額は、課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額に、百分の六の標準税率によつて定める率を乗じて得た金額とする。この場合において、当該定める率は、一の率でなければならない。
(第2項省略)

 

東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律

東日本大震災後に特例が規定され、平成35年まで、上記の地方税法で定められた均等割額に次の金額が加算されます。

東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律より)

(個人の道府県民税及び市町村民税の税率の特例)
第二条 平成二十六年度から平成三十五年度までの各年度分の個人の道府県民税に限り、均等割の標準税率は、地方税法第三十八条 の規定にかかわらず、同条 に規定する額に五百円を加算した額とする。
2  平成二十六年度から平成三十五年度までの各年度分の個人の市町村民税に限り、均等割の標準税率は、地方税法第三百十条 の規定にかかわらず、同条 に規定する額に五百円を加算した額とする。

 

超過課税の実施

個人住民税について、超過課税が実施されている地方自治体があります。

(総務省;超過課税の状況(H28.4.1現在)(PDF)より。一部加工しています。)

h280401_超過課税の状況の画像の一部

 

超過課税の内容は地方自治体により異なりますので、岩手県、横浜市、神奈川県の個人住民税についてのみ記載しておきます。

 

岩手県の個人県民税の税率

岩手県の個人県民税は、「いわての森づくり県民税」として1,000円ほど上乗せされています。(500円の復興財源分は、他の道府県でも同じです。)

(岩手県;個人の県民税より)

個人住民税の超過課税_16

 

横浜市と神奈川県の個人住民税の税率

横浜市の個人住民税の税率を確認してみます。

(横浜市;個人の住民税より)

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上の画像のとおり、横浜市では「横浜みどり税」(均等割額に900円を上乗せ)を実施しています。

また、神奈川県では、「水源環境の保全・再生に継続的に取り組むため」に超過課税を実施(均等割額に300円を上乗せ、所得割の税率に0.025%を上乗せ)しています。

(横浜市;個人の住民税より)

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気になった方は、お住まいの市区町村等のサイトでご確認ください。


■□◆◇ 編集後記 ◇◆□■

今日もちょっと調子がわるいので仕事を控えます。関東はこれから雨が強くなりそうです。