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こんにちは。税理士のかわべです。
今日は、法人の現金出納帳の記載方法について、初心者の人向けに解説します。
現金出納帳とは?
現金出納帳とは、現金の入出金を記録するためのものです。
家計でつける家計簿、子供たちがつけるお小遣い帳と同じものと考えて良いでしょう。
記録する項目は次のとおりです。
● 科目 …… 取引を区分するための「経理処理用のラベル」です。
● 摘要 …… 取引の内容を記載します。
● 収入 …… 取引によって手元の現金が増えた場合に記載します。
● 支出 …… 取引によって手元の現金が減った場合に記載します。
● 残高 …… 前行の残高に収入を加えるか支出を差し引いた残高を記載します。
現金出納帳を記載する場合の注意点
現金出納帳を記載する場合の注意点をまとめてみました。
月、日
月、日については、日付順の記載を心がけます。
会計ソフトやExcelで記録する場合は、日付順に並べ替えをしてくれるので、あまり気にする必要はありませんが、手書きの場合は、どうしても日付が前後してしまいます。
科目
科目については、「どの科目を記載すればいいの?」と悩むことは多いかと思います。(経験者でも悩みます。)
わからない場合は、専門家に質問するのが良いでしょう。
摘要
摘要については、①取引先(支払先)、②取引内容を10文字から20文字程度でなるべく詳しく記載しましょう。
摘要をいい加減に記載してしまう帳簿が散見されますが、①と②をしっかりと記載することをお勧めします。
接待の場合は、接待相手の氏名又は名称及びその関係、参加した人数も記載しておくと良いです。(例「レストラン□□、〇〇社(得意先)3名」
現金出納帳の記載例
会社で取り扱う「現金」は、いくつかに分けて管理するため、現金出納帳も種類ごとに記載方法に特徴があります。
この記事では、次の2つを取り上げてみます。
レジ現金……店舗のレジスターでやり取りされる現金
「現金」の記載例
主に経費の支払いに充てられる現金については、次のような特徴があります。
● 領収書のもらい忘れなどにより支出の不明が生じやすい
主に経費の支払いに充てられる現金をまとめて記録しようとすると、領収書のもらい忘れなどにより、「何に使ったかな?」と悩んでしまうことが多いようです。
そのような無駄な時間を作らないためにも、「朝一番に、前日分を記録する」や「夜に、その日の収支を記録する」など、毎日のルーティーンとして、記録することがとても大切です。
支払用に手元現金を用意する
支払用に預金などからお金を用意した場合には、次のように記録します。
支払いを記録する
毎日の支払いは次のように記載します。
役員の立替払いを記録する
小規模の会社の場合、社長が自分のポケットマネーで経費を支払ってしまって、(会社の)手元の現金が足りなくなることがありますよね。
そのような場合、その取引の流れをそのまま現金出納帳に記録してしまうと、残高がマイナスになってしまいます。
残高がマイナスになる場合は、社長が立て替えて払っていると考えて、次のように記載すると良いでしょう。(※)
ほかにも、「役員借入金」等の帳簿を作って記録する方法もあるため、この記載方法はあくまで一例です。
誰が立替払いをしているのかということをしっかり確認しましょう。
小規模企業の場合、「どうせ社長でしょ」となんでもかんでも社長からの借入で処理してしまう傾向があります。
しかし、少額とは言え、金銭の貸し借りになりますので、いい加減な記録はトラブルの元です。
役員へ立替払い金を返済する場合
役員へ立替払い金を返済する場合は、次のように記録します。
上の例では、預金からちょっと多めにお金を引出、うち2万円を社長へ返済しているという状況を記録しています。
「レジ現金」の記載例
レジ現金については、次のような特徴があります。
● 過不足が生じやすい
レジ現金は、毎日、記録することを心がけましょう。
レジ現金の簡単な記載例を掲載しておきます。
つり銭を用意した時
最初につり銭を用意した時の記録方法です。
普通預金から引き出して準備する場合
つり銭を会社名義の普通預金や当座預金から引き出して準備した場合は、次のように記載します。
役員から借り入れて準備する場合
つり銭を役員から借り入れて準備した場合は、次のように記載します。
毎日の売上げを記録する
毎日の売上げは次のように記載します。
預金の預け入れを記録する
毎日の売上げ金を預金に預け入れた場合は、次のように記載します。
現金過不足を記録する
つり銭の間違え等により、現金出納帳の残高とレジスターの現金が一致しない場合は、次のように記載します。(次の例は、レジスターの現金が不足している場合)
まとめ
現金出納帳は必ず記録しましょう。
クラウド会計では、領収書を画像に記録して、自動で仕訳するため、現金出納帳を記載していない人もいますが、現金出納帳は、会社経営の基本が詰まっていますので、作成したことがない人は、是非、作成してみてください。
毎日(毎週)、現金出納帳を作成することをお勧めします。!
■□◆◇ 編集後記 ◇◆□■
日曜日は、久しぶりに外食をしてイタリアンを食べました。日替わりランチを頼んだところ、予想よりも辛かった。(辛いのは苦手!)