源泉徴収税額表(日額表)の見方(平成29年分)

h29_源泉徴収税額表の表紙の画像

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こんにちは。税理士のかわべです。

この記事では、源泉徴収税額表(日額表)の見方について、初心者向けになるべくわかりやすく記載したいと思います。

平成30年分の記事を作成しました。

関連記事 源泉徴収税額表(日額表)の見方(平成30年分)

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この記事は平成29年用です。平成30年は使用する源泉徴収税額表が異なります。

LINK 国税庁;平成30年分 源泉徴収税額表(サイト)

また、扶養親族等の数についても改正があるのでご注意ください。(平成30年分用の記事を執筆中です。)

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関連記事 月額表の見方については → 源泉徴収税額表(月額表)の見方(平成29年分)

(国税庁;給与所得の源泉徴収税額表(平成29年分)日額表(PDF)より)

h29_源泉徴収税額表(日額表)_(一)の画像

給与所得の源泉徴収税額表(平成29年分)日額表(PDF)

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【 この記事のポイント 】

● 源泉徴収税額表の見方がわかる

● 甲、乙、丙の違いがわかる

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この記事は平成29年8月22日現在の情報に基づき作成しています。法令の改正等があるかも知れませんので、実際に源泉徴収事務を行う場合は、その時点の法令等を良くご確認ください。

なお、この記事では居住者に対して支払う給与を想定しています。

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[aside type=”pink”](H29.9.13追記)平成30年から配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しが行われたことに伴い、扶養親族等の数の求め方が変更されています。

LINK 平成29年4月 源泉所得税の改正のあらまし(PDF/4,068KB)

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給与所得の源泉徴収税額表とは?

h29_源泉徴収税額表の表紙の画像

(国税庁;平成29年分 源泉徴収税額表(表紙)PDFより)

給与所得の源泉徴収税額表は、給与や賞与に対する源泉徴収税額を算出する表です。

LINK 国税庁;平成29年分 源泉徴収税額表(サイト)

給与所得の源泉徴収税額表の種類

給与所得の源泉徴収税額表には、次の3種類あり、給与の支払サイクル等によって使う表が異なります。

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● 月額表

● 日額表

● 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表

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この記事では、3種類のうち二番目の「日額表」について取り上げます。

給与所得の源泉徴収税額表(平成29年分)日額表(PDF)

 

給与所得の源泉徴収税額表(日額表)の対象となる給与等

「給与所得の源泉徴収税額表(日額表)」(以下、「源泉徴収税額表(日額表)と表記。」)は、日給に対する源泉所得税を計算するために使います。

この「日額表」の対象となる給与は次のとおりです。

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□ 働いたその日ごとに支払う給与

□ 一週間ごとに支払う給与

□ 日割り計算して支払う給与

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(国税庁;No.2511 税額表の種類と使い方より)

h29_源泉徴収税額表_日額表の対象となる給与の画像

 

この記事では説明しませんが、月額表と賞与については、次のような給与等に使います。

● 月額表

h29_源泉徴収税額表_月額表の対象となる給与の画像

関連記事 源泉徴収税額表(月額表)の見方(平成29年分)

● 賞与

h29_源泉徴収税額表_賞与の画像

源泉徴収税額表(日額表)の見方

源泉徴収税額表(日額表)の基本

(国税庁;平成29年分 給与所得の源泉徴収税額表(日額表)(8~14ページ)(PDF)4ページより)

h29_源泉徴収税額表(日額表)_(三)の画像

源泉徴収税額表(日額表)は、大きく4つに区分されています。

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● 「その日の社会保険料控除後の給与等の金額」(左端の2列)

● 「甲」欄(扶養親族等の数により8列に区分。上の画像の赤色の枠囲み部分。)

● 「乙」欄(1列。上の画像の緑色の枠囲み部分。)

● 「丙」欄(1列。上の画像の水色の枠囲み部分。)

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以下、基本的なことを解説していきます。

給与所得の源泉徴収税額表(平成29年分)日額表(PDF)

税額を算出してみる

使い方はある程度、予想できるかと思いますが、ためしに、税額を算出してみましょう。

次のような条件を想定しました。

<条件>

□ その日の社会保険料控除後の給与等の金額 18,050円

□ 扶養控除等申告書の提出があり、扶養親族等の数は3人

h29_源泉徴収税額表(日額表)_(四)の画像

 

源泉徴収税額表(日額表)では、「その日の社会保険料控除後の給与等の金額」と「甲」(又は「乙」、「丙」)の交点が求める税額になります。

では、先ほどの条件で税額を算出してみます。

<ステップ1 その日の社会保険料控除後の給与等の金額が含まれる行を探す>

月額表で「その日の社会保険料控除後の給与等の金額」18,050円が含まれる行を探します。

→ 「18,000円以上、18,100円未満」の行(上の画像の水色の枠囲み部分)

<ステップ2 扶養親族等の数を特定>

扶養親族等の数3人に対応する列を特定します。

→ 「甲欄 3人」の列(上の画像の緑色の丸囲み部分)

<ステップ3 税額を算出>

ステップ1で探した行とステップ2で特定した列の交点が算出する税額になります。

この例では、「610円」

 

税額を算出するために必要な事項

上記の例で税額を算出するためのイメージはつかめたかと思いますが、源泉徴収税額表(日額表)で税額を算出するためには、給与を支給する従業員について次の2つの事項を確認しておかなければいけません。

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□ その日の社会保険料控除後の給与等の金額はいくらか?

□ 甲欄、乙欄、丙欄のいずれに該当するか?甲欄に該当する場合、扶養親族等の数は何人になるか?

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それぞれどのように調べるかを解説します。

 

その日の社会保険料等控除後の給与等の金額とは?

「その日の社会保険料等控除後の給与等の金額」とは、給与の金額から健康保険、厚生年金、雇用保険等の社会保険料等を控除した金額です。(そのままです)

扶養親族等の数よりは簡単ですが、非課税通勤手当など、源泉所得税額を算出する場合に計算に含めない手当てもありますので、Excel等でオリジナルの給与明細書を作成する場合などは、注意しましょう。

給与明細書で確認

h29_源泉徴収税額表(日額表)の見方_給与明細例

簡易的な給与明細書をExcelで再現してみました。

上の画像のピンク色の枠囲み部分が「その日の社会保険料等控除後の給与等の金額」になります。

残業手当や社会保険料の控除額によって毎月変わる可能性がありますので、源泉徴収税額も毎日一定ではありません。

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ポイントは、非課税通勤費を「その日の社会保険料等控除後の給与等の金額」に含めないこと。

よって、上の画像の例では「小計」18,138円(非課税通勤費を加算する前の金額)から「社会保険料」88円を差し引いて「その日の社会保険料控除後の金額」を算出しています。

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扶養親族等の数とは?

次に、扶養親族等の数について確認していきます。「扶養親族等の数」の算出方法は次のとおりです。

(国税庁;平成29年版 源泉徴収のしかた(サイト)税額表の適用方法、税額の求め方14ページより。)

税額表の甲欄は、給与等の支払を受ける人の扶養親族等の数に応じて使用するようになっています。

この「扶養親族等の数」とは、控除対象配偶者(老人控除対象配偶者を含みます。)と控除対象扶養親族(老人扶養親族又は特定扶養親族を含みます。)との合計数をいいます。

また、給与等の支払を受ける人が、障害者(特別障害者を含みます。)、寡婦(特別の寡婦を含みます。)、寡夫又は勤労学生に該当する場合には、その該当する数を加え、その人の控除対象配偶者や扶養親族(年齢16歳未満の人を含みます。)のうちに障害者(特別障害者を含みます。)又は同居特別障害者に該当する人がいる場合には、これらの一に該当するごとに扶養親族等の数に1人を加算した数を扶養親族等の数とします。

いろいろなケースがありますので、慎重に確認しましょう。

控除対象配偶者や控除対象扶養親族については、従業員から提出された「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」(以下、「扶養控除等申告書」と記載します。)に記載されています。

この扶養控除等申告書の提出がない場合は、「扶養親族等の数」を確認することができないため、源泉徴収税額表(日額表)の「乙」欄又は「丙」欄で税金を算出することになります。

[aside type=”yellow”]「乙」欄に該当する場合には基本的には扶養親族等の数は関係ありませんが、「従たる給与についての扶養控除等(異動)申告書」の提出があった場合は、注意が必要です。

関連記事 従たる給与についての扶養控除等(異動)申告書とは[/aside]

 

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の提出がある場合の「扶養親族等の数」の求め方

(国税庁;《記載例》平成29年分給与所得者の扶養控除等申告書の記載例(PDF)より)

上記の記載例では、控除対象配偶者、扶養親族、障害者等の記載が多数あり、ちょっと複雑で初心者にはハードルが高いので、次の表を参考にもう少し簡単な例で解説していきます。

(国税庁;平成29年版 源泉徴収のしかた(サイト)税額表の適用方法、税額の求め方14ページより。)

 

□ 扶養親族等の数が「0人」になる場合(下の画像の水色の枠囲み部分)

扶養控除等申告書に給与の支払を受ける人(所得者)のみが記載され、その所得者が障害者等に該当しない場合あれば扶養親族等の数は「0人」となります。

また、扶養控除等申告書に所得者以外に「年齢16歳未満の人(年少扶養親族)」だけが記載されているケースも扶養親族等の数は「0人」となります。

これは、下の画像の緑色の枠囲み部分の注書きのとおり、原則として16歳未満の人は扶養親族等の数には加算しないためです。(ただし、この年少扶養親族が障害者に該当する場合は異なります。

□ 扶養親族等の数が「2人」になる場合(下の画像のピンク色の枠囲み部分)

所得者に「控除対象配偶者と控除対象扶養親族(扶養親族のうち年齢16歳以上の人)が1人いる」というケースでは、扶養親族等の数は「2人」となります。

また、所得者に「控除対象配偶者と扶養親族のうち年齢16歳未満の人(年少扶養親族)が1人いる」ケースで、その年少扶養親族が障害者に該当するケースも、扶養親族等の数は「2人」となります。これは、年少扶養親族は扶養親族等の数には含めませんが、障害者に該当する場合は「1人」を加算するというルールになっているためです。

さらに、所得者が「寡婦に該当し、控除対象扶養親族(扶養親族のうち年齢16歳以上の人)が1人いる」というケースも、扶養親族等の数は「2人」となります。これは、所得者が「寡婦(特別の寡婦)又は寡夫」に該当する場合は「1人」を加算するというルールになっているためです。

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障害者や寡婦に該当する場合は、「1人」を加算することに気をつけましょう。

(H29.9.13追記)平成30年から配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しが行われたことに伴い、扶養親族等の数の求め方が変更されています。

LINK 平成29年4月 源泉所得税の改正のあらまし(PDF/4,068KB)

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給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の提出がない場合で乙欄に該当する場合

従業員から「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出がない場合は、源泉徴収税額表(日額表)の乙欄又は丙欄で税額を算出します。

最初に乙欄について解説します。

源泉徴収税額表(日額表)の乙欄を適用する給与とは?

従業員から「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出がない場合で、日雇い給与に該当しない場合は、乙欄によって税額を算出します。日雇い給与とはについては、次のパラグラフで説明いたします。

[aside type=”yellow”]「乙」欄に該当する場合には基本的には扶養親族等の数は関係ありませんが、「従たる給与についての扶養控除等(異動)申告書」の提出があった場合は、注意が必要です。

関連記事 従たる給与についての扶養控除等(異動)申告書とは[/aside]

源泉徴収税額表(日額表)の乙欄での求め方

たとえば「その日の社会保険料等控除後の給与等の金額」が8,000円で扶養控除等申告書の提出がない場合は、つぎの画像のとおり税額は「1,120円」となります。

h29_源泉徴収税額表(日額表)_乙欄

 

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の提出がない場合で丙欄に該当する場合

従業員から「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出がない場合で、日雇い給与に該当する場合は、丙欄で税額を算出しますが、どのような給与が日雇い給与に該当するかを慎重に判断しなければなりません。

源泉徴収税額表(日額表)の丙欄を適用する給与とは?

源泉徴収税額表(日額表)の丙欄を適用する給与は、「労働した日又は時間によって算定され、かつ、労働した日ごとに支払を受ける給与」で一定のもの(※)です。

e-Gov法令検索所得税法>185条より)

(賞与以外の給与等に係る徴収税額)
第百八十五条 次条に規定する賞与以外の給与等について第百八十三条第一項(源泉徴収義務)の規定により徴収すべき所得税の額は、次の各号に掲げる給与等の区分に応じ当該各号に定める税額とする
(中略)
三 労働した日又は時間によつて算定され、かつ、労働した日ごとに支払を受ける給与等で政令で定めるもの その給与等の金額に応じ、別表第三の丙欄に掲げる税額

ざっくり言うと「日雇い給与は丙欄」と考えて良いですが、日雇い給与とは何かについては、慎重に判断する必要があります。以下、施行令と通達を引用しておきますので、参考にしてください。

※ 一定のものについては次を参照

e-Gov法令検索所得税法施行令>309条

(日払の給与等の意義)
第三百九条  法第百八十五条第一項第三号 (賞与以外の給与等に係る徴収税額)に規定する政令で定める給与等は、日日雇い入れられる者が支払を受ける給与等(一の給与等の支払者から継続して二月をこえて支払を受ける場合におけるその二月をこえて支払を受けるものを除く。)とする。

通達(所得税法基本通達;法第183条《源泉徴収義務》関係より)

(日額表丙欄を適用する給与等に対する税額の計算)

185-8 法第185条第1項第3号の規定は、労働した日又は時間によって算定され、かつ、労働した日ごとに支払われる給与等で令第309条《日払の給与等の意義》に規定するもののほか、次に掲げる給与等についても適用があるものとする。この場合において、次に掲げる給与等を支払う際に徴収する税額は、労働した日ごとの給与等の額につき法別表第3の丙欄を適用して計算した税額の合計額となることに留意する。(昭49直所2-23、平元直所3-14、直法6-9、直資3-8、平19課法9-9、課個2-20、課審4-32改正)

(1) 日々雇い入れられる者の労働した日又は時間により算定される給与等で、その労働した日以外の日において支払われるもの(令第309条かっこ内の規定に該当するものを除く。)

(2) あらかじめ定められた雇用契約の期間が2月以内の者に支払われる給与等で、労働した日又は時間によって算定されるもの(雇用契約の期間の延長又は再雇用により継続して2月を超えて雇用されることとなった者に当該2月を超える部分の期間につき支払われる給与等を除く。)

 

源泉徴収税額表(日額表)の丙欄での求め方(日雇いのケース)

たとえば「その日の社会保険料等控除後の給与等の金額」が8,000円の日雇い給与については、つぎの画像のとおり税額が「0円」となります。

 h29_源泉徴収税額表(日額表)_丙欄の画像

 

いろいろな算出方法

ちょっと特殊なケースでの源泉徴収税額表の見方を説明しておきます。

甲欄の場合

「その日の社会保険料等控除後の給与等の金額」が2,900未満の場合

「その日の社会保険料等控除後の給与等の金額」が2,900円未満の場合で扶養控除等申告書の提出がある場合(つまり税額表の「甲」欄で税額を算出する場合)は、扶養親族等の数にかかわらず税額は0円となります。

h29_源泉徴収税額表(日額表)_2,900円未満の甲欄の場合

給与所得が高額(28,000円超)の場合

源泉徴収税額表(日額表)は28,000円を超えるとちょっと様式が変わってきます。28,000円以下のケースでは行と列の交点で税額を算出しましたが、率による計算が加わります。

h29_源泉徴収税額表(日額表)_28,000円を超える甲欄の場合

 

たとえば、「その日の社会保険料等控除後の給与等の金額」が30,000円、扶養親族等の数が2人の場合は次のようになります。

[aside type=”boader”](a) 28,000円の扶養親族等の数2人の税額 2,610円

(b) 28,000円を超える金額に対する税額(計算方法は上の画像の緑色の枠囲み部分)

(30,000-28,000)×23.483%=469.66円→469円

(c) 算出する税額 (a) + (b) = 3,079円[/aside]

 

扶養親族等の数が8人以上になるケース

かなり珍しいケースですが、扶養親族等の数ば8人以上になることがあります。その場合はつぎのように算出します。

(国税庁;給与所得の源泉徴収税額表(平成29年分)日額表(PDF)>14ページ>備考(1)~(3)より。背景色は筆者追記。)

 ⑴ まず、その人のその日の給与等の金額から、その給与等の金額から控除される社会保険料等の金額を控除した金額を求めます。

⑵ 次に、扶養控除等申告書により申告された扶養親族等(扶養親族等が国外居住親族である場合には、親族に該当する旨を証する書類が扶養控除等申告書に添付され、又は当該書類が扶養控除等申告書の提出の際に提示された扶養親族等に限ります。)の数が7人以下である場合には、⑴により求めた金額に応じて「その日の社会保険料等控除後の給与等の金額」欄の該当する行を求め、その行と扶養親族等の数に応じた甲欄の該当欄との交わるところに記載されている金額を求めます。これが求める税額です。

⑶ 扶養控除等申告書により申告された扶養親族等の数が₇人を超える場合には、⑴により求めた金額に応じて、扶養親族等の数が7人であるものとして⑵により求めた税額から、扶養親族等の数が₇人を超える1人ごとに50円を控除した金額を求めます。これが求める税額です。

たとえば、「その日の社会保険料等控除後の給与等の金額」が22,900円で扶養親族等の数が9人の場合。

[aside type=”boader”](d) 「扶養親族等の数が7人であるもの」として税額 625円(下の画像の緑色の丸部分)

(e) 扶養親族等の数は9人ですので、7人を超える2人分 100円(2×50円)

(f) 算出する税額 (d) - (e) = 525円[/aside]

h29_源泉徴収税額表(日額表)_扶養親族等の数が8以上となるケース

 

乙蘭の場合

その日の社会保険料等控除後の給与等の金額が2,900円未満の場合

「その日の社会保険料等控除後の給与等の金額」が2,900円未満の場合で扶養控除等申告書の提出がなく日雇い給与ではない場合(つまり税額表の「乙」欄で税額を算出する場合)は、一定の率「3.063%」をかけて算出します。

h29_源泉徴収税額表(日額表)_2,900円未満の乙欄のケース

たとえば、「その日の社会保険料等控除後の給与等の金額」が2,000円で扶養控除等申告書の提出がなく日雇い給与ではない場合。

[aside type=”boader”](税額)2,000円×3.063%=61.26→61円[/aside]

 

給与所得が高額(28,000円超)の場合

源泉徴収税額表(日額表)は28,000円を超える場合は、率による計算が加わります。

h29_源泉徴収税額表(日額表)_28,000円を超える乙欄のケース

たとえば、「その日の社会保険料等控除後の給与等の金額」が30,000円で扶養控除等申告書の提出がなく日雇い給与ではない場合。

[aside type=”boader”](税額)10,350 +(30,000-28,000)× 40.84%=11,166.8 → 11,166円[/aside]

従たる扶養控除等申告書の提出があった場合

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に似た申告書で「従たる給与についての扶養控除等(異動)申告書」という申告書があります。この申告書の提出があった場合の税額の算出方法については、次の記事を参考にしてみてください。

関連記事 従たる給与についての扶養控除等(異動)申告書とは

丙蘭の場合

その日の社会保険料等控除後の給与等の金額が2,900円未満の場合

「その日の社会保険料等控除後の給与等の金額」が2,900円未満の日雇い給与の場合は、税額は0円です。

h29_源泉徴収税額表(日額表)_2,900円未満で丙欄のケース

たとえば、「その日の社会保険料等控除後の給与等の金額」が2,000円で日雇い給与の場合は、税額は0円となります。

 

給与所得が高額(28,000円超)の場合

源泉徴収税額表(日額表)は28,000円を超える場合は、率による計算が加わります。

h29_源泉徴収税額表(日額表)_28,000円を超える丙欄のケース

たとえば、「その日の社会保険料等控除後の給与等の金額」が30,000円で日雇い給与の場合。

[aside type=”boader”](税額)1,386+(30,000-28,000)× 20.42%=1,794.4 → 1,794円[/aside]

 

源泉徴収税額表の準備

源泉徴収税額表は、年末に年末調整資料と一緒に新しい税額表が送られてきますが、国税庁の次のページからダウンロードすることもできます。PDF版のLINKを貼りましたが、Excel版もあります。

(国税庁;平成29年分 源泉徴収税額表(サイト)より)

給与所得の源泉徴収税額表(平成29年分)日額表(PDF)


■□◆◇ 編集後記 ◇◆□■

 ここ数日、関東では秋らしい気候になりました。鎌倉にマイカーで行くと課金されるかも知れないという報道がありました。これからの動向が気になりますね。