この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
のWhat-if分析の「シナリオの登録と管理」では、異なる値を設定した複数の「シナリオ」を登録し、その結果を比較・検討することができます。
変動する数値を比較したい場合、複数人がかかわる表を作成する場合などに便利です。
(使用Excel)2013
Excelのシナリオの登録と管理の使い方
ExcelのWhat-if分析の「シナリオの管理と登録」で「シナリオ」を登録する方法と使用例を記載します。
シナリオの登録
リボンの「What-if分析」をクリックし「シナリオの登録と管理」を選択します。
「シナリオの登録と管理」のダイアログボックスが開きますので、「追加(A)」をクリックします。
(すでに他のブック又はシートでシナリオを登録している場合は、「コピー(M)」をクリックして、そのシナリオをコピーして編集することができます。変数する項目は追加した場合と同じです。シナリオ名を同じにしたい場合には便利かも知れません。⇒ 「コピー(M)」はシナリオの結合に使用することがあります。)
「追加」をクリックすると「シナリオの追加」というダイアログボックスが開きますので、次の項目を設定します。(シナリオ名を設定しないと「OK」をクリックすることができません。)
シナリオ名(N)
「前年比101%」などわかりやすいものが良いと思いますが、「101」という数値を変更する可能性がある場合は、「ノルマ達成率」や「目標値」など抽象的なものでも良いと思います。
変化させるセル(C)
シナリオを選択したときに値を変化させるセルを入力します。
下の画像のように複数のセルを選択することもできます。「,」で連続しない複数のセルを、「:」で連続した複数のセルを選択することができます。
保護
「保護」の下にある2つのチェックボックスは、「シートを保護している場合」の設定になります。私はデフォルトの設定のまま使用しています。
(Support Office;シナリオを使用して複数の値セットを切り替えるより)
[保護] の下の必要なチェック ボックスをオンにします。
注: 以下のオプションは、保護されたワークシートにのみ適用されます。保護されたワークシートの詳細については、[参照] セクションを参照してください。
- ワークシートが保護されているときにシナリオを編集できないようにするには、[変更できないようにする] をオンにします。
- ワークシートが保護されているときにシナリオが表示されないようにするには、[表示しない] をオンにします。
上記3つを設定し「OK」をクリックします。
シナリオの値
「シナリオ名」と「変化させるセル」を設定し「OK」をクリックすると「シナリオの値」のダイアログボックスが開きますので、「変化させるセル」に入力する値を設定します。
● 1つのセルを選択している場合
● 複数のセルを選択している場合
シナリオを登録すると、次の画像のように「シナリオの登録と管理」にシナリオが表示されます。(下の画像は、3つのシナリオを登録した画像)
つぎに具体的な例でこのシナリオを使い方を記載します。
シナリオの使用例
次のような3ヶ月間の損益予測表を用意しました。
前期比の割合(B3セル。上の画像の黄色の背景色のセル)を変更すると、それに伴っていくつかのセルの値が変更されます。
この表で、次のような3つのシナリオを用意しました。
「シナリオの登録と管理」のダイアログボックスで、シナリオ名をダブルクリックするか、シナリオ名を選択して、「表示(S)」をクリックすると、シートの値(この場合は、B3セルの値)が変更されます。
シナリオの情報
シナリオについては、「シナリオの情報」を使用して、1つのシートでその結果(指定したセルの値)を比較することができます。
「シナリオの登録と管理」のダイアログボックスで「情報(U)」をクリックします。(下の画像の赤色の丸囲み部分)
「シナリオの情報」のダイアログボックスが表示されるので、レポートの種類を選択し、「結果を出力するセル(R)」を設定します。
下の例では、レポートの種類は「シナリオの情報(S)」、「結果を出力するセル」にE16セル(四半期の(経常利益の)合計数値)と、その下のE17セル(数値により○か×を表示します。)を設定しました。
「OK」をクリックすると、新しく「シナリオ情報」というシートが作成され、各シナリオに基づき、「結果出力セル」の値がどのように変化するかを比較することができます。
「レポートの種類」を「ピボットテーブル」にすると、新しく「シナリオ ピボットテーブル」というシートが作成されます。
(この例だと○、×が表示されないので、シナリオ情報の方が良さそうです。まぁ好みでしょう。)
複数のシナリオを結合する場合
「シナリオの登録と管理」では、複数のシナリオを結合することができます。
例えば、先ほどの3ヶ月の損益予測表で「その他販管費(固定)」の数値について、先ほどのシナリオとは別にシナリオを3つ登録してみます。
上記の3ヶ月比較の損益予測表の「その他販管費(固定)」部分をコピーし、別シートを作成します。その新しいシートで「シナリオの登録と管理」で3つのシナリオを登録します。
この場合、「その他販管費(固定)の内訳部分」のセルを、もと損益予測表と同じセル位置にすることに注意します。
(Support Office;シナリオを使用して複数の値セットを切り替えるより。背景色は筆者追記。)
シナリオを結合する 検討するシナリオの作成に必要なすべての情報が 1 つのワークシートまたはブックに含まれている場合もありますが、他のソースから情報を収集する必要がある場合もあります。たとえば、大規模な会社の予算を作成するとします。経理、製造、マーケティング、法務などの部署ごとにシナリオの作成に使用する情報が異なるため、それぞれの部署からシナリオを収集する必要があります。
[コピー] コマンドを使用すると、それらのシナリオを 1 つのワークシートに集約できます。各ソースで入力される変化するセルの数は、必要に応じて決定できます。たとえば、経費予測は各部署で入力されるが、収益予測は一部の部署だけで入力されるようにできます。
さまざまなソースから複数のシナリオを収集するときは、それぞれのブックで同じセル構造が使用されている必要があります。たとえば、収益は常にセル B2 に入力され、経費は常にセル B3 に入力されるようにします。さまざまなソースのシナリオに異なる構造が使用されている場合、結果の集約が困難になります。
次に、もとの損益予測表のシートで「シナリオの登録と管理」を開き、コピーをクリックします。
上の画像のように「シナリオのコピー」というダイアログボックスが開きますので、シートから「その他販管費(固定)」を選択肢、3個のシナリオがあることを確認して、「OK」をクリックします。
「OK」をクリックして「シナリオの登録と管理」の画面にもどると、もともとの3つのシナリオに、さらに外注費について3つのシナリオが登録されました。
セル構造が同じであれば、これによって、外注費の増加についてもこのシート上でシナリオを比較・検討することができます。
変化させるセルのセル番号(外注費のセル番号なので「B23」)がコピーした後のシナリオでも同じであることを確認してください。
また、この複数のシナリオを結合した場合でも「シナリオ情報」シートを作成・表示させることができます。
しかし、異なるシナリオグループ(この記事の例の場合、「3条件が2回つまり(3×3の)9通り」)の組み合わせを一度にすべて表示することはできないようです。(シナリオの設定を工夫すればできるとはおもいます。)
下の画像では、B3セル(前期比)の値が変更される場合と、B23セル(外注費)の値が変更される場合が表示されていますが、B3セルが変更される場合は、外注費が50万円に固定され、B23セルが変更される場合は、前期比が101.2%に固定されているので、すべてのシナリオの組み合わせに対する結果が表示されるわけではありません。
シナリオの登録と管理は事前の取り決めが必要
「シナリオの登録と管理」は1人で利用する分にはかなり便利です。
しかし、複数人で「シナリオの登録と管理」を使う場合は、セル構造やシナリオの登録についてルール決めが必要になり、扱い憎い機能なのかも知れません。
手始めに、2、3人程度のグループで利用してみてはいかがでしょうか?
■□◆◇ 編集後記 ◇◆□■
今朝は、かなりの雨でフェイスタオルを購入してしまいました。家に同じタオルが何枚もあります。