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こんにちは。税理士のかわべです。
年末調整計算の対象となる従業員が、年末調整の計算に必要な証明書類（保険料控除証明書など）を紛失した場合や、年末近くに保険に加入したため、年末調整計算までに証明書類を提出できない場合、翌年1月日末までに証明書類を、勤務先に提出又は提示することを条件に、証明書類がなくても、年末調整で控除の適用を受けることができます。
この記事は過去の記事を令和6年分用にリライトしたものです。また、この記事は令和6年11月11日時点で確認することができる法令等の情報に基づき作成しています。法令の改正等があった場合は、記事の内容とは異なる取扱となることもありますので、適用時点での法令等を良くご確認ください。
● 参考 国税庁；令和6年分 年末調整のしかた PDF
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証明書類が年末調整計算に間に合わない場合
繰り返しになりますが、年末調整の対象となる従業員が、年末調整の計算までに証明書類を提出できない場合は、翌年1月末日までに、再取得等した証明書類を勤務先に提出又は提示することを条件に、いくつかの事項を確認することで年末調整計算で控除の適用を受けることができます。
このことは、毎年公表されている国税庁の「令和6年分 年末調整のしかた PDF」にも記載されているので、内容を確認しておきます。
それぞれの引用画像のとおり、証明書類がなくてもいくつかの確認事項をもれなく確認することができれば、控除の適用を受けることができます。
つぎにそれぞれの控除を受けるための確認事項について見ていきます。
証明書類が間に合わない場合の確認事項
上の画像のとおり、年末調整時点で証明書類がなくても控除を受けることができますが、例えば、保険料控除の適用を受ける場合は、支払った保険の区分や保険料の金額（※）によって控除額が異なるため、証明書類がない状態でも控除額が算出できるように保険会社等に次の事項を確認しておく必要があります。
※ 地震保険料など一部の保険契約では、実際に支払った保険料と控除の対象となる保険料が異なる場合もあるので注意が必要です。
生命保険料控除の場合
□ 一般、介護、年金の区分
□ 保険会社の名称等
□ 保険料の種類
□ 保険期間
□ 保険等の契約者の氏名
□ 保険金等の受取人の氏名及び続柄
□ 新・旧の区分
□ 保険料等の金額
特に、一般、介護、年金の区分、新・旧の区分、保険料等の金額が重要となります。誤った情報を年末調整計算の担当者に伝えてしまうと、再調整となってしまう可能性もありますので、しっかりと確認しましょう。
地震保険料控除の場合
□ 保険会社の名称等
□ 保険料の種類（目的）
□ 保険期間
□ 保険等の契約者の氏名
□ 保険等の対象となった家屋等を利用している者等の氏名及び続柄
□ 地震保険料又は旧長期損害保険料の区分
□ 保険料等の金額のうち、上記の区分に係る金額
地震保険料控除では、地震保険料又は旧長期損害保険料の区分と保険料等の金額のうち、上記区分に係る金額が重要になっています。
地震保険料控除証明書で1つの契約等が地震保険と旧長期損害保険のどちらにも該当する証明書類を見かけることがあります。この場合、どちらか1つの区分で控除額を計算することになります。（下の画像の赤文字色の注書き）
契約内容や区分、保険料の金額をしっかりと確認しましょう。
社会保険料の場合（国民年金と国民年金基金）
□ 社会保険の種類
□ 保険料支払先の名称
□ 保険料を負担することになっている人の氏名および続柄
□ 本年中に支払った保険料の金額
※ 国民年金と国民年金基金以外の社会保険料等については、証明書類は必要ありませんが、客観的に数値を確認できる書類（健康保険料の納付書や口座からの引き落としの記録）を年末調整担当者から要求される場合もありますので、ねんのため、準備しておいた方が良いでしょう。
まとめ
年末調整は給与所得者にとっては年税額が確定する大事な事務手続きです。証明書類を紛失しないように保管場所等に注意しましょう。
※ 再調整計算について
令和6年分の年末調整後に扶養控除の異動、保険料の追加支払いなど様々な異動があった場合に、令和7年の1月末までは再調整ができることになっています。
■□◆◇ 編集後記 ◇◆□■
今週末はちょっと寒くなり、やっと衣替えをしました。
